七五三・お宮参り着物のクリーニングについて

お子様用のお着物は、それを着用するイベントの時以外は保管されっぱなしのことが多く、使う時期を前に出してくると全体に変色したシミだらけということが少なくないのですが、お着物の生地自体の薄さなどから生地があまり丈夫でないことが非常に多く、変色したシミを染み抜きする場合、シミが濃い場合などは、シミが落ち切らないことがあります。

生地の丈夫さは、生地の薄さによるところもあるのですが、もっと根本的な問題として、生地の繊維自体が、大人用の一般的な着物とは違う場合も多いのです。

その生地はアセテートという合成繊維(厳密には、半合成繊維)なのですが、手触りなどが正絹(シルク)に近い状態を表現出来、染色も容易であったため、一昔前までは祝い着などに多く使われていた生地なのです(洋服には今でも他の繊維との混紡品などが多く使われています)

このアセテートという繊維は化学繊維なので、熱に弱く、化学薬品にも弱いという性質があります。

着物の変色したシミを抜くには、しみ抜き剤(化学薬品)を塗布して放置したり熱い水蒸気で反応させてシミを抜くという作業が必要なのですが、アセテートという繊維の場合、無理に熱を加えたり強い薬品を使うと、繊維が溶けてしまったりするので、使える薬品や作業方法が非常に限られているという弱点があります。

ですので、正絹の着物と違い、アセテートで作られている祝い着は、変色したシミを抜きたくても、あまり無理が出来ないのです。

もちろん、全く何も出来ないということは稀ですので、現状よりの改善は可能なのですが、大人用のお着物に比べると、どうしてもスッキリと直せないこともあるのが事実です。

また、中に着るお襦袢ですが、これも長年保管されている間に全体的な黄ばみが出ていることが多いのですが、お襦袢の生地は着物よりもさらに生地が弱いので、染み抜き自体が難しい場合がほとんどです(上記のアセテートが多い)。ですので、お襦袢を綺麗にしたいとお考えの場合は、新しい生地をご用意させていただいて、同じサイズの物を誂えさせていただくことになります。その場合、期間としては三週間位はかかります。
また、料金についてですが、お子様用のお着物は大きさが小さいのですが、染み抜きの難易度や箇所の多さなどから、比較的高額なお見積りになることも少なくありません。例えば、お着物の全体にシミがあって染み抜きとクリーニングをした場合、三万円くらいから状態によっては五万円くらいになる場合もございます。

もちろん、実際に拝見させていただいてからのお見積りになりますので、もっと料金が低くなることもあるのですが、当店の仕事は手間賃仕事ですので、手間がかかる場合はそれに見合ったお見積りとなってしまいます。

七五三用やお宮参り用のお着物のお手入れをご相談いただく場合、ご自身やお子様などが着られた物を出来るだけ綺麗にして子や孫に着せてあげたいということになるのですが、私がこのようなことを言って良いのか分かりませんが、もしそのお着物にあまり思い入れがないということでしたら、新たにお買い求めになるのも一つの選択肢であると思います。実際にご相談いただいた場合に、仕上がりが綺麗になりそうにない場合などは、そのようにお話させていただくこともあります。

当店の仕事は着物をクリーニングして綺麗にすることですが、例え一銭の利益もないとしても、無理に加工をオススメするようなことはしたくないですし、しないと決めています。それが信念だからです。

もちろん、ご相談は無料ですので、お気軽にご相談くださいませ。

 
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