さて、今回は、お着物のお手入れの具体的な事例をご紹介いたします。
お品は、七五三用のお着物の、七歳用のものなのですが、七五三やお宮参りのお着物は、「その時」にしか使わない着物なので、どうしても長い年月を仕舞いっぱなしにされていることが多いのです。
それが故に、保管中のトラブルが非常に多く、気づいた時にはかなりシミが広がっているということが少なくありません(-_-;)
今回の事例のお着物も、長年保管をされている間に、おそらくカビが原因だと思うのですが、お着物の全体に黄変したシミが広がっていました。
部分的なシミであれば、出来るだけ着物の形のままで染み抜きを行うのですが、このお品の場合、お仕立てを解いて反物の状態にしないと染み抜きが困難だったので、お客様に了解を得た上で、クリーニングと解き水洗い→裏地の交換も含めてお仕立て直し という工程で作業を進めました(というか、あまりにもシミが多かったので、まだ未完成です(^_^;))
全体的にこのようなシミがありますので、コツコツと染み抜きを行います。
すると、シミと一緒に地色が抜けてしまうので、このような状態になります。
シミが発生する前の状態になるように、染色補正(色修正)で、脱色した部分を修正いたします。
このような感じで、全てのシミをコツコツと直しています(;・∀・)
先は長い(笑)