着物クリーニング・お手入れコンシェルジュこと栗田裕史の染色補正師日誌

着物クリーニング・お手入れコンシェルジュ日誌。たまに毒も吐きます。麻呂とも呼ばれてます。

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着物のクリーニング(丸洗い)だけでは、汗は落とせません

投稿日:2015年7月18日 更新日:

着物クリーニング・お手入れコンシェルジュこと染色補正師・なをし屋代表の栗田裕史です。

夏本番も間近に迫ったこの時期になると、着物のお手入れのご相談時に、「汗をかいてしまったので、丸洗い(クリーニング)をして欲しい」というものがよくあります。

丸洗い(クリーニング)を行う=綺麗にすることですから、イメージからすると、付いた汚れは全部落としてくれそうですよね。

でも実は、丸洗い(クリーニング)では、着物に付いた汗は落とせないのです!

汗の成分は99%が水だそうですが、残り1%の中に、身体から出た色んな成分が入っていて、それが着物の生地や染色に悪さをします。

そして、その1%の成分が溶けていたのは99%の水分ですから、水を使わないと再び溶けないというのは何となく分かっていただけるのではないかと思います。

そして結構多くの方が誤解されていることがあるのですが、丸洗い(クリーニング)というのはいわゆるドライクリーニングでして、ドライクリーニングをしても汗はあまり落とせないのです。

汗を落とすには「汗抜き」という作業が必要

丸洗い(クリーニング)が得意なことは、水を使わずに洗うので、着物を型崩れさせずに洗えるということと、油溶性の全体的なくすみのような汚れ(空気中の排ガスなどの汚れ)を取ることです。

逆に不得意なのは、水溶性の汚れ(汗・飲食物のシミ・血液などの水分を含んだ汚れ)と変色してしまった汚れなどです。

これらのシミは、基本的に水を使わないと落とすことは困難なのです。

当店でご相談・ご依頼いただいた場合は、お客様が丸洗いをご希望されても、その目的が何なのかを必ず確認させていただきますし、汗の有無もきちんと確認させていただきます。

その上で、汗を落とすことが必要であれば、最優先事項として、「汗抜き」という作業をご提案させていただきます。

汗抜きという作業は、汗をかかれた部分(衿・袖口・脇・背中など)に汗を落とす洗剤と水を使って付着した汗を洗い流し、汗による変色のリスクを最小限に抑える予防措置になります。

この作業を行わないと、仮に丸洗い(クリーニング)を行っても、汗は落とせないので、翌年また着物を出してみると、汗をかいた場所が変色してしまっているという悲しいことになる可能性が非常に高くなります。

汗をかいた際に着物のお手入れを依頼される場合は、必ずお店の方に「汗をかいたこと・汗を落として欲しいこと・汗抜きはしてくれるのか?」を確認するようにしてください。

単に丸洗い(クリーニング)の依頼をされると、お店によっては言葉通りに洗って仕上げておしまいになってしまい、大切なお着物に肝心の汗が残ったまま保管してしまうことになりかねません。

【あとがき】
木綿や麻の洗える着物は、汗をかいたらガンガン洗ってしまいましょう。洗ってもあまり縮まないようにするには、太物(絹以外の反物)の扱いに長けている呉服屋さんでお買い求めの上で仕立てられるか、きちんと要望を聞いてもらえる仕立て屋さんで仕立てるのが良いと思います。

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栗田 裕史

栗田 裕史

1969年京都生まれ京都育ち。着物お手入れコンシェルジュ。着物クリーニング・染み抜き・お手入れ専門店二代目として生まれ、あらゆる衣類のトラブルを解決する染み抜き専門店【なをし屋】代表にして、染色補正師。と、書くと何だか敷居が高そうですが、全くそんなことはありません。麻呂とも呼ばれてます(ΦωΦ)

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