着物クリーニング・お手入れコンシェルジュこと栗田裕史の染色補正師日誌

着物クリーニング・お手入れコンシェルジュ日誌。たまに毒も吐きます。麻呂とも呼ばれてます。

よもやま話 ブログ 着物お手入れの話

着物を着てる時にシミが!どうしたらよいの?

投稿日:2015年8月2日 更新日:

着物クリーニング・お手入れコンシェルジュこと染色補正師・なをし屋代表の栗田裕史です。

メディアの方なども含めて、よくご質問をいただくのですが、着物を着用されている時に食べ物や飲み物などのシミや汚れを付けてしまった場合、どう対処したらよいのか? というお話があります。

着物を着用されている時、普段よりも気をつけているつもりでも、やはり洋服よりも慣れないことも多く、お食事などをされた時に食べ物や飲み物のシミが付いたりすることがあります。

こんな時、慌てちゃいますよね。しまった!早く何とかしないと!って思って、汚れを拭きたくなる気持ち、ホントによーく分かります。

でも、その時、慌てて濡れたオシボリとかで拭いたりすると、取り返しのつかない事態になることがあるのです。

お着物の多くは絹(シルク)で作られているのですが、この絹という繊維が実にクセモノでして、肌触りや着心地が良い反面、非常に摩擦に弱いという性質を持っております。

特に、濡れた状態での摩擦に対する弱さは、数多の繊維の中でも最弱の称号を与えられると思います。

摩擦に弱いとどういうことになるかというと、表面が何かで擦れた場合(特に湿っている場合)、生地の細かい繊維が毛羽立ってしまい、その部分が光の反射率の変化などで、方向によって極端に白く見えてしまうようになります。

ボクたちプロの職人は、このような状態を「スレている」といいます。

一度スレた状態になってしまうと、程度にもよりますが、一度毛羽立った繊維は元に戻せないので、完全に元の状態に戻すのは物理的に不可能になってしまいます。

食べ物や飲み物のシミは、付いただけであれば、ほぼ全てのモノが完全に落とせます。ですが、慌てて擦って生地がスレてしまうと、もう永遠に元には戻せないのです。

着物にシミが付いたら、まず一番にすることは、心を落ち着かせること

このような悲しい事態にならないためには、慌てる気持ちをグッと堪えて、まずは深呼吸でもして、心を落ち着けましょう。

そして、食べ物のシミであれば、乾いたハンカチやティッシュなどで、擦らないように、そっと、付いているシミの上から抑えて、水分と生地表面の汚れを移しとるような感じで処理します。

これ以上は絶対に無理をしてはいけません。後日、信頼のおけるお店に染み抜きの依頼をいたしましょう。

飲み物の場合も同じような感じで、水分のみを絶対に擦らないように移しとって、その後はプロに任せましょう。

繰り返しになりますが、我々プロがお手入れすれば、付いただけのシミであれば、ほとんどのシミは生地を傷めずに完全に落とせるのです。

赤ワインのシミだって落とせるんですよ。

外出先で付いたシミ、慌てず、冷静に対処してくださいね。

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栗田 裕史

栗田 裕史

1969年京都生まれ京都育ち。着物お手入れコンシェルジュ。着物クリーニング・染み抜き・お手入れ専門店二代目として生まれ、あらゆる衣類のトラブルを解決する染み抜き専門店【なをし屋】代表にして、染色補正師。と、書くと何だか敷居が高そうですが、全くそんなことはありません。麻呂とも呼ばれてます(ΦωΦ)

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