着物クリーニング・お手入れコンシェルジュこと栗田裕史の染色補正師日誌

着物クリーニング・お手入れコンシェルジュ日誌。たまに毒も吐きます。麻呂とも呼ばれてます。

染み抜き・染色補正 毒吐き

染み抜きには、もっと底力があるはず

投稿日:2015年8月31日 更新日:

着物クリーニング・お手入れコンシェルジュこと染色補正師・なをし屋代表の栗田裕史です。

ボクの仕事は染み抜き屋さんなんですが、染み抜きを専門にしているお店ということで、他店さんで断られたり落とせなかったシミが付いた衣類なんかもよくお預かりさせていただきます。

皆さんも、クリーニング店さんにお洋服なんかをクリーニングに出されて、こんなカードが付いて帰ってきたことないですか?

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内容によると、「染み抜きを試みたけど落ちないシミで、これ以上は落ちないし生地を傷めたり色が抜けたりするので無理です(ニッコリ」

ってことみたいなんですが、このカードが付いてる衣類の染み抜きをお預かりさせていただいてボクが染み抜きした場合、意外と苦労せずに落とせる場合というのが結構あるんですよね。

もちろん、本当に落とせないシミもありますし、強引に地の色ごとシミを抜いてしまわないと落ちないシミというのもあります。

そして、ボクが誰よりもスゴイ染み抜き達人だなんていうつもりもありません。

でも、それほど苦労せずに落とせるシミということは、本当にちゃんと染み抜きを試みていたら、落とせて当然のはずのシミだということです。

念の為に申しておきますが、別にクリーニング屋さんを批判するためやウチに依頼して欲しいからこの記事を書いているわけではありません。

染み抜きで凄い腕前のクリーニング屋さんがあるのも知ってますし、仲間にも何人もいます。

ただ、どうしても納得出来ないのは、ちゃんと染み抜きをしてないのにしたと嘘をつき、プロの立場でこのシミは落ちないシミだと言ってしまっていいの?ってこと。

だって、クリーニング屋さんは衣類を綺麗にするプロなんだから、そのプロに「無理」って言われたら、多くの人は諦めちゃうって思いません?

そこで諦めずに何とかしようとする方がウチみたいな店に相談されるんだと思うんですが、きっとそこまでする方ってまだまだ少数派だと思うんですよね。

ちゃんと染み抜きをしていないにも関わらず、シミを落とせないという判断をしたその衣類、もしかしたら依頼した方にとってはかけがえのない思い入れのある品物かもしれない。そんな風に想像したことありますか?

染み抜きの底力はそんなもんじゃない

クリーニング屋さんは洗って仕上げることでお金をいただく仕事ですから、単価を考えると数をこなさなきゃいけないという理屈は分かります。

染み抜きって手間がかかるし、染み抜き代を取らないお店も多いみたいなので、お金にならないことに時間をかけていられないということもよく分かります。

でも、染み抜きするって言ってお預かりしてるんですよね? だったらちゃんと染み抜きをせすに返すなんてやはりおかしくないですか?

染み抜きの技術って、ボクの本業でもある染色補正っていうのが全てのルーツなんですが、元を辿れば三百年ぐらい前に始まった技術なんですよね。

それこそ、いかに衣類を綺麗にするかっていうことだけを探求して研鑽されてきた技術なんです。

染み抜きって、もっともっと誰かを笑顔に出来ると思うんですよ。

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栗田 裕史

栗田 裕史

1969年京都生まれ京都育ち。着物お手入れコンシェルジュ。着物クリーニング・染み抜き・お手入れ専門店二代目として生まれ、あらゆる衣類のトラブルを解決する染み抜き専門店【なをし屋】代表にして、染色補正師。と、書くと何だか敷居が高そうですが、全くそんなことはありません。麻呂とも呼ばれてます(ΦωΦ)

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