着物クリーニング・お手入れコンシェルジュこと栗田裕史の染色補正師日誌

着物クリーニング・お手入れコンシェルジュ日誌。たまに毒も吐きます。麻呂とも呼ばれてます。

着物お手入れの話 着物クリーニング・染み抜き

着物をクリーニングする頻度は?

投稿日:2015年9月8日 更新日:

着物クリーニング・お手入れコンシェルジュこと染色補正師・なをし屋代表の栗田裕史です。

着物のお手入れやクリーニングを承らさせて頂いた際に、必ずと言っていいほどご質問いただくことがあります。

それは、着物を着たら毎回クリーニングした方が良いのか?というご質問です。

この疑問に対する答えは、着物を着る度に毎回クリーニングをする必要はありません!です。

それが何故かは、まずは着物のクリーニングがどういったものか?から説明させていただきますね。

着物のクリーニングは、原理的には洋服のクリーニングと同じで、仕立てや縫製を解かずに、水ではなくクリーニング用の溶剤という液体を使って、大きなドラム式洗濯機で全体を洗います。

いわゆるドライクリーニングというモノですね。

このドライクリーニングは、油性の汚れ落としに特に威力を発揮するもので、着物に関して言えば、長年保管していたことによる薄汚れやくすみ(変色していない物)、生地の表面に浮いている状態のカビ・それに伴う臭い、着続けることによる全体のくすみや排ガスなどによるスス汚れなどに効果があるといえます(その他、油性のシミには効果があります)。

ということは、一度や二度くらい着ただけでは、ドライクリーニングで落とせるような汚れは付かないという結論になります。

業者さんの中には、着物は着る度にクリーニングをする必要があると言っているところもあるようですが、ハッキリ言って、それは間違いもしくは勉強不足だと思います。

ただ、着物を着る度にクリーニングが必要ないからといって、着物を着て何もせずにそのまま保管しても良いというわけではありません!

着物を着た後にクリーニングは必要なくても、点検やお手入れは必要です

着物を着られた後は、まずは身体から出た湿気を飛ばすために、半日程度で良いので、着物用のハンガーなどに吊るした状態で、陰干しをしてください。

その際に、食べこぼしや飲みこぼしなどのシミがないか、チェックして欲しいのです。

もしシミが付いていたら、出来るだけ早いうちに、信頼のおけるお店で染み抜きをしてください。

何故かと言うと、シミは付いただけの状態であれば、大抵は生地や染色を傷めることなく染み抜きが可能なのです(全てではありません。赤ワインなどは付いてすぐでも特殊な染み抜きが必要です)。

また、ご着用時に汗をかかれていないかを思い出してみてください。

確実に汗をかいたな?という場合は、必ず信頼のおけるお店で汗抜きという作業を行ってください。

汗抜きだけを頼んでいるのにクリーニングをしつこく勧めてくるようなお店は要注意です。

そのようなお店の場合は、クリーニングの際に汗抜きをしてくれるのかどうかを必ず確認しておきましょう。

「クリーニングだけで汗は落ちる」とか言ってたら、そのお店はアウトです。依頼は避けましょう。

着物のクリーニングはもちろんお手入れに大変に有効な方法なのですが、なんでもそうですが、得手不得手というものがあります。

頭の片隅でも良いので、今回の話を覚えておいてくださると嬉しいです(^^)

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栗田 裕史

栗田 裕史

1969年京都生まれ京都育ち。着物お手入れコンシェルジュ。着物クリーニング・染み抜き・お手入れ専門店二代目として生まれ、あらゆる衣類のトラブルを解決する染み抜き専門店【なをし屋】代表にして、染色補正師。と、書くと何だか敷居が高そうですが、全くそんなことはありません。麻呂とも呼ばれてます(ΦωΦ)

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